まとめ(私の愛・地球博)

 

 
いつかやろうと思っていたまとめの投稿ですが、結局何も思いつかず今まで来ました。
SSRの企画で「私の愛・地球博」があり、よい機会なのでそちらに便乗して、
私にとっての愛・地球博をまとめました。
ほぼ同じ内容ですが、こちらにも転載させていただきます。以下投稿内容に若干手を加えました。



1.テーマパークとの違い

大阪の花の万博 EXPO'90 以来15年ぶりに日本で開かれる国際博覧会、区別が無くなったとはいえ、大阪以来35年ぶりの「一般博(総合博)」です。大阪万博当時小学生だった私にとっては最新技術が見られる夢のような世界でした。その後は開催地が遠かったり、興味がなかったりで何処も行きませんでした。

今回、地元の愛知県で開催される事になり、少しは期待していましたが、疑問もありました。
最近ではあちこちにテーマパークができて、同じような感動は体感できるようになってるんですよね。だから今回の万博はあまり盛り上がらないのではないか、そして、たいして面白くないのではないかと思い、あまり期待してませんでした。

それで、事前の下調べもせず、4月にはじめて行ったのですが、その時、私の考えは間違いだったことに気付きました。明確に訴える物がある「万博」は観客を楽しませることだけが目的のテーマーパークとは重みが違うんです。心に響く「何か」があるんです。これは私の認識違いでした、そしてその後、熱心に足を運ぶことになります。


2.モリゾー&キッコロ
大阪万博のシンボル「太陽の塔」

最初の印象悪かったですね。私だけでなくそう思っていた人も多いと思います。キッコロはまあかわいいんですけど、モリゾーの目つきはどうも好きになれない。
それでも半年の間、毎日のように見ていると慣れてのだろうか、愛・地球博に無くてはならない物と感じるようになってきました。

物質的価値を追求していた若かりし日本の時代だった「大阪万博」象徴は
「太陽の塔」として残っています。
それに対し、観客の心に呼びかける「愛・地球博」の象徴はみなさんの心の中にいつもいる「モリゾーとキッコロ」ではないでしょうか。

今後も忘れられることなく、いつまでも愛されるキャラクターであって欲しいと思います。


3.パーク&ライド
会期末時期の尾張旭駐車場日の出前です。

愛・地球博会場周辺には駐車場はありませんでした。もちろん非公式の民間駐車場はかなりありましたが、周辺の渋滞緩和のため、公式の駐車場は会場からかなり離れた場所にあり、そこからシャトルバスで往復します。名古屋空港駐車場が2500円である以外はすべて3000円。最初聞いた時は高いなあと思いましたが、我が家から公共の交通機関を利用した場合、これよりもかなり高くなってしまいます。
初回にリニモに乗りましたが、それ以降はいつもパーク&ライドでした。

朝ゆっくり出て早く帰ることが多かった我が家ではバスの待ちもあまりありませんでしたし、これが一番でした。ただ、会期末どうしても開門と同時に入りたい場合、やはり不利でした。


4.地形を生かした会場
最終日、ガスパビリオンの屋上より。

当初は海上の森で開催される予定だった「愛知万博」でしたが、誘致を成功させるため、自然環境を壊してしまう当初の計画を変更し、既存の愛知青少年公園に手を加え、会場として利用する事に決まりました。
高低差のある会場をスムーズに移動するために構築されたのがグローバルループでした。この存在感が素晴らしかったですね。建造物としての規模はもちろんですが、
会場内の移動で何度も歩き非常に親しみ深くなりました。
平面ではなく、高低差を生かし3次元的広がりを持った会場の雰囲気は好きでした。
特に「愛・地球広場」を取り囲むように大きく湾曲したグローバルループの風景は大好きでした。


5.インターネットと愛・地球博

1970年の大阪万博と大きく違うのはインターネットの一般化ではないでしょうか?
各種情報の入手、そして、パビリオンの事前予約とインターネットが重宝しました。
その中でも、「個人の発信する情報」これが一番役立ちました。公式サイトや各企業などはどうしても良い事は書いても悪い事は書けない、その点、ブログを利用した個人の情報発信、BBSで行われる情報交換はその人の個人的感想であるにしても、良くないところも見えてきます。それらの情報を入手できた人はかなり有意義な楽しみ方ができました。

情報格差による不公平が指摘されますが、インターネットを利用している人は接続するためのPCや携帯電話、接続のための費用など、そして探すための労力を使っています。インターネット利用者が有利になるのは当然の結果と私は思っています。
インターネットが利用したくても利用できない障害者は見捨てるのか!と、言われそうですが、そんな方達はパビリオンの優先入館などいろいろ優遇されていたはずです。

より多くの情報を持っている方が有利だった「愛・地球博」、今の時代を反映していたのでしょう。


6.終わりではなく始まり

盛況の内に会期を終え、閉幕を惜しむ声も多かったのですが、予定どおり閉幕しました。
これは、当然の事かも知れません。何か事を起こすきっかけとなるべき万国博覧会です。評判が良くてもいつまでもだらだら続ける事は良くないんです。
むしろ、惜しまれつつ閉幕し、観客の心の中に深く記憶を刻んだ方が本来の目的を果たす事ができるでしょう。

国際博覧会の定義について考えてみましょう。
外務省にこのような一文があります。

以下引用


「国際博覧会条約」によれば、国際博覧会とは、「二以上の国が参加した、公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すものをいう」

引用終わり

今回、地球環境について公衆を教育する事が最も重要なテーマだったと思います。
そして、それはうまくいったのだろうと思います。
地球環境によくない事をしてしてしまいそうになった時、モリゾーとキッコロを思い出しましょう。彼らを思い浮かべながら、駐車場でアイドリングできますか?使い古した油を下水に流せますか?

誰も居ないのに付けっぱなしになっている部屋の電気を消した時、じっと目をこらしてみましょう。そこにはきっとモリゾーとキッコロがにっこり笑って立っている事でしょう。

更地になった会場跡地。でもこれは、終わりではなく始まりです。
 

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